みま地区産直軒 fron TOKUSHIMA-JAPAN


吉野川の中流域に位置する徳島県美馬市脇町は、江戸時代から明治時代にかけて阿波藍(あい)の集散地として栄え、その藍商人たちが南町通りに建てた土蔵造りの家屋の屋根には「うだつ」と呼ばれる防火壁を持ったものが多く見られました。
現存する「うだつ(卯建)」は約50個ほどですが、「格子窓」や「虫籠(むしこ)窓」と共に町並みを形成していることから「うだつの町並み」と呼ばれています。


「南町通り」は、東西約430mの道路に沿って立ち並ぶ白壁の古い町家や、その通りに交差し北に伸びた小路などで形成されています。

白壁と「うだつ」が象徴の南町通りです。頭上に広がる青空は、電線地中化の恩恵でしょう。
「豪商」吉田邸です。軒口は十軒余りに対して、奥行きは五十軒(100m)もあります。住宅内は見学もできます(※大人500円、小人250円)。



夕暮れ時になると、ナトリウムランプの照明が灯り始めます。



卯建の上の鬼瓦です。 雷除けとして作られた物ですが、「あ」「うん」や舌を出した物など、多彩です。
【うだつの競争】あとから建てる人は、隣のうだつよりも少しでも高く、少しでも豪華にと競争しました。左側の家の方が高い為、こちらが後から建てたと言うことが判ります。



【持ち送り】出格子下の装飾です。 「モッチョクリ」とも呼ばれます。
【格子窓】大まかな格子は店中の様子がわかるように隙間が大きく、細かな格子は居住空間でプライバシーを守るように隙間が小さく作られています。



【虫籠窓】窓の形が虫を入れる籠に似ているところから「むしこ窓」といいます。堅牢に造り盗難除け、部屋の明かり採り、風通しをよくする為に造られましたが、時代と共に装飾的な面を兼ねるようになりました。
【バッタリショウギ】折り畳み式になっていて、夏の夕方、ここに座って将棋をさしたり、夕涼みができました。



【鳥衾(鳥ぶすま)】鬼瓦に鳥がとまらまいように、また糞をかけないようにするため、とまる場所としてつけられました。
【船板壁】吉野川を往来していた帆掛け舟の船板を使った壁です。当時はここまで吉野川の水が来ていたそうで、水に浸かっていた板を使用していた為、腐らずに残っています。




南町通りの南側には、かつての船着場があり、ここから阿波藍が吉野川を通って運ばれました。今も名残の石垣を見ることができます。


【道の駅 藍ランドうだつ】 うだつの町並みに隣接している道の駅です。藍ランドうだつ内の看板(写真右)には、「ここは藍商の船着場であった。棟門くぐり石段をあがると藍商の敷地へ通じている。多くの人夫たちが荷を担ぎ、舟積みの作業をした。」とあります。
※駐車場大型5台・普通39台・ 身障者用1台


南町通りに交差する小路には、かつて栄えた商人の屋号が付けられているなど、この地域の当時の繁栄が偲ばれます。

【松尾小路】桜小路の一本西の小路です。松屋という呉服屋の屋号から名前がついたといわれています。かつては料理屋が立ち並び、遅くまで三味線の音が流れていたそうです。
【茶の子町】大谷川と南町通りをつなぎ、かつては、脇町に商いにきた商人が昼食や休憩をとる場所で、食堂が建ち並び繁盛していたといわれます。



【カネ天小路】郷土資料館前にある小路です。現在はガレージとなっていますが、かつてここにカネ天の屋号をもつ天野家が醤油の製造卸を盛大に営んでいたことからこの名前がついたといわれています。
【中町通り】南町通りに平行する一本北の通りです。 桜、松尾、カネ天の各小路からこの通りに抜けられます。 料亭、旅館等もあります。



【脇町郷土資料館】脇町の今昔を伝える貴重な資料の展示と、観光情報やボランティア観光ガイドの予約受け付けも行っています。無料の貸自転車も有ります。
【新丹波屋】郷土資料館前にあります。2004年の夏、ネスカフェのCMにも登場しました。家のすぐ右手が「カネ天小路」です。



【自動(自働)電話】日本の公衆電話ボックスで2番目に古い形のものを再現しています。表記が「自働電話」となっていますが、間違いではなく、当初から「自働」の文字が使用されたと言われています。 資料館横にあります。
【書状集箱(郵便ポスト)】 明治4年4月20日、新式郵便制度の創始時に使用されていたのと同じ形のものです。 ちなみに現在の赤いポストになったのは、明治41年からです。




脇町には、この「うだつの町並み」以外にも「うだつ」を備えたものや白壁の蔵造りの建物がたくさんあります。それは、行政主導のものだけでなく、地域をあげての取組みとなってきています。

【穴吹橋】脇町側の橋のたもとにうだつのモニュメントがあります。 奥は穴吹町です。
【脇町図書館】うだつの町並みにあり、白壁とうだつを使い、町並みに溶け込んでいます。



【脇町中学校】 白壁の蔵作りとうだつがあります
【岩倉小学校】白壁の蔵造りとなっています。



【美馬市消防署】上部両端にうだつがあります。
【脇町郵便局】白壁とうだつがあります。



【脇町うだつ郵便局】名前にもあるように、うだつがあり、白壁の蔵造りとなっています。
【阿波銀行脇町支店】こちらにもうだつがあり、白壁の蔵造りとなっています。



【ショッピングセンターパルシー】うだつの町並み東側、オデオン座の南にあります。 白壁の蔵造り、うだつもあります。
【うだつアリーナ】、鉄骨3階建ての体育館で、外周にうだつのモニュメントがあります。




【うだつ】
うだつは、元来京都・奈良地方の中世末に町家の板屋根に現れたもので、板屋根の保護を目的としているものでした。大のこぎりの使えない時代では、破風板とせき板の製造が困難であり、そのため粘土質の土が多く用いられたため、防火の袖壁として役立ちました。

【うだつが上がらない】
「うだつ」の建築には相当な費用を要したことから、商人の隆盛のシンボルとなり、この防火壁を造れないことを、「うだつがあがらぬ」と言われるようになりました。因みに、現在使われている「うだつが上がらない」のことわざの語源になったのではないかと言われています。